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何もせずにただ過ごしてしまうには惜しい夜、 −それが、あたら夜− 明けることが惜しいほどの今宵は、どんな夜でしょう。 |
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喧騒を離れ、しばし憩うひと時。 そこにあるのは幾年も変わらずにある、 凛とした佇まい。 それはまた、この時に出会うためにあったものかも知れません。 いつか見た風景は、いつも我が身の深奥にありて煌いています。 |
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ふと、時の流れが止まる瞬間があります。 今、感じている時間のほかに、 たゆたう時の流れを感じることがあります。 いつでもそこにあるのに、いつもはわからない。 一会の悦びと儚さだけが見え隠れしています。 |
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夏から秋へと向かう夕景に秘められた、語られない想い。 空の色、風の音、木々の香り。 其処に在るは輝く肌理。 沈む夕陽を沈まぬままに見つめていたいと、叶わぬ言葉を黙したまま。 |
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夜の帳が下りる少し前。 静かにいただく今宵の一献。 夜更けの静けさとはまた異なる、 小さな時間が流れています。 ひと口、含む酒に在るは日々の余韻なのでしょうか。 |
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ゆるりゆるりと始めるうちに、光は陽から灯へと移ろっていきます。 時を想い、時を忘れ、時にたゆたう。 いつでもその虜でありたいと。 そう、今宵もあたら夜なればこそ。 |
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